ETS手術を検討している方は、手汗に悩む方の中でも症状のひどいレベル3の方が多いです。

 

日本では多汗症が病気という認識が低いですが、最近は病院での治療が注目されています。

その中で、ETS手術はもっとも効果を期待できる治療方法です。

 

「手汗ひどいから根本解決になるETS手術しようかな?」

と考えている方はぜひ一度考え直してください!!

 

ETS手術は効果がある一方、一生に関わるかもしれない副作用もあるからです!

 

ここからは、

「ETS手術をして良いのかな?」と悩む人に知ってほしい効果と副作用について紹介していきます。

※最後は必ず病院の先生と徹底的に相談するようにしてください

 

ETS手術とは

ETSは多汗症に効果的な治療方法の一つです。

 

多汗症とは

手汗が多い人は多汗症の可能性が高いです。

多汗症とは、交感神経が異常に働くことにより汗腺が刺激され汗が多くなる症状です。

日本人の7人に1人が悩んでいるとも言われるのに、病気であるとの認知が低いのが特徴です。

近年では徐々に病気であるとの認知が高まり、様々な治療を受ける人が増えてきています。

 

代表的な治療方法

  • イオントフォレーシス
  • ボトックス注射
  • 抗コリン材や漢方など処方薬
  • 塩化アルミニウム
  • ETS手術

 

ETS手術とは

ETSとは胸部交感神経遮断手術の略称です。

(ETS : Endoscopic Thoracic Sympathectomy)

 

難しい名前ですよねw

また、手汗なのに胸部?と不思議に思う方もいるでしょう。

 

実は、手汗は脳からの刺激が胸部交感神経を経由して手に伝わり発汗します。

ETS手術は、その胸部交感神経の繊維を内視鏡で切断する手術なのです。

交感神経の流れを直接遮断するので確実に汗を抑えることができます。

ETS手術のメリット

続いて、ETS手術のメリットを確認していきましょう。

 

継続した効果が見込める

ETS手術は手汗を根本から治せる治療方法です。

ボトックス注射やイオントフォレーシスなどの治療方法はありますが、効果が継続するのはETS手術の特徴です。

ボトックス注射だと年に3〜4回、イオントフォレーシスだと週1回の継続治療が必要なことを考えると嬉しいメリットです。

 

比較的安価に治療可能

ETS手術と言われると高額な印象を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は重度の多汗症患者は高額療養費支給制度の対象になる場合が多いです。

保険適用が適用されることで10万円前後で手術できるようになります。

 

例えば、ボトックス注射はまだ保険適用外の場合が多く、1回あたり8万円の費用が必要です。

年間24万円を継続して治療することを考えれば破格で治療可能です!

 

日帰りで手術可能

以前は開胸手術で大きな傷も残る手術でした。

しかし、現在は内視鏡が使用されるようになったことで傷あとが目立たなくなりました。

 

また、手術自体も麻酔含めて30分程度と体への負担は小さいのもメリットです。

※事前検診は含みません

実際、口コミを見ても痛みが少ないという声も多く聞かれます。

(人によって頭痛やめまいなど症状が出る場合もあるとのこと)

術後に悩まされる代償性発汗とは

手汗対策をあれこれやってもどうにもできなかった人にとってETS手術は救世主のような存在です。

しかし、残念ながらETS手術にも代償性発汗と言われる決定的な副作用があります。

 

代償性発汗とは

手のひらなど、局所多汗症の治療のためにETS手術を受けた後にみられる副作用です。

手のひらの発汗が抑えられる代わりに、背・腰・腹・大腿部に温熱性発汗が増える症状です。

(多汗症とは違い暑い時や運動時など、発汗する場面は限らると言った意見もあります)

 

また、手汗がなくなることで逆に乾燥しやすくなったり、体温調整ができなくり暑がりになる人もいるそうです。

 

代償性発汗は後戻りできない!

代償性発汗が手術した後かなり高い確率で起こると言われています。

しかし、それ以上に厄介なのが進行性で年々症状が重くなると言われている点です。

 

せっかく手汗がなくなっても、他の汗に一生悩まされては元も子もないですよね?

手汗が多いからといって安易にETS手術をするのはとても危険ですので注意しましょう!

 

過去には訴訟も?

過去には、多汗症治療としてETS手術を受け代償性発汗を生じたことに対して、

  • ETSの手術適応がなかったのにETSを行った適応義務違反
  • 説明義務違反があった

と主張し、病院に対して損害賠償を求め一部が認められた事案もあります。

納得して治療を受けることが大前提

ETS手術のメリットや副作用についてお話ししてきました。

では、どのような人がETS手術を受けるべきなのでしょうか?

レベル3以外の人はやめましょう

個人的な結論としては、レベル3の手汗が滴る症状方以外はETS手術を受けるべきではありません。

正直、副作用のリスクが大きすぎるかと思います。

  • レベル3で手汗が何よりの悩み
  • 仕事や生活に支障がある
  • 代償性発汗をも受け入れる覚悟がある

これくらい悩んでいる方は検討してもよいのではないでしょうか?

病院選びは慎重に

ETS手術は本当に後戻りできません。

なので、診断中でも不安が拭えないのであれば病院を変更する勇気を持ちましょう。

(初診料がもったいないとか言っている場合ではありません)

そのためにも、病院がETSに自信がある病院か?口コミはどうか?など少しでも不安をなくして通いましょう。

副作用を気にするあまり効果半減?

ETS手術は胸部交感神経のT-3とT-4を切断するのが主流です。

例えば、病院によっては代償性発汗を恐れるあまりT-4のみの切断を提案しています。

一見良さそうですが、効果だけ弱くなり副作用だけが残る事例もあったりしますので注意が必要です。

いずれにせよ、一生に関わる大切な決断になるかと思います。

徹底的に調べ、徹底的に相談し納得した上で治療するように心がけましょう。

病院治療の前にできること

ETS手術をしなくても手汗を抑えられるなら、それに越したことはありません。

手汗対策は、

  • 生活習慣改善
  • ツボ押し
  • 制汗剤
  • サプリ

など様々です。

「先にあれやっておけばよかったな」

なんて万一にもならないよう、色々試した上で検討いただければと思います。

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