手汗が多い人は多汗症である可能性が高いです。

多汗症とは、交感神経が異常に働くことで汗腺を刺激し手汗が多くなる症状です。

 

手汗を抑えるには、

  • 自律神経を整え交感神経の働きを抑える
  • 制汗剤で汗腺をコントロール

上記2つが効果的と言われています。 

 

では、そもそも自律神経とか交感神経ってのはなんでしょうか?

  • 自律神経(交感神経)とは何?
  • 自律神経と整える(交換神経を抑える)対策は?

について一緒に学んでいければと思います。

自律神経(交感神経)の基本

まずは、自律神経・交感神経・副交感神経について簡単に説明していきます。

 

自律神経

人間には無数の神経が存在しますが、自律神経とはカラダ全体にある末梢神経に含まれる神経のことを言います。

意識的にコントロールできない神経なのが特徴で、循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整すべく24時間働き続けてくれます。

 

自律神経は、

  • 体の活動時に活発になる交感神経(昼の神経)
  • 安静時に活発になる副交感神経(夜の神経)

によって構成されています。

 

交感神経(昼の神経)

体の活動力を高める働きをする神経のことを言います。

運動だけでなく精神的な興奮(ストレスや緊張)で活性化するのが特徴です。

 

交感神経が優位だと、

  • シャッキっとする(集中状態)
  • 心拍数や血圧の上昇

上記のようになります。

 

大昔は獲物を捕らえるために瞳孔を開き、心拍数をあげて動き出すのに交感神経が必要でした。

今現在では、生きていく上での危機は少ないですが、仕事などストレスを感じる場面で活性化される場合が多いです。

ちなみに、人間は元々サルの時代に敵から逃げるとき木から滑らないように手汗をかくようになったと言われています。

そのため、交感神経で体が活性化されるタイミングで増えてしまうのです。

 

副交感神経(夜の神経)

交感神経と真逆の働きで、休んだりリラックスしたりするときに活性化される神経です。

 

そのため、副交感神経が優位となると、

  • 眠気
  • 心拍数や血圧の低下
  • 消化器の活動が活発に

上記のようになります。

交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態にはいきなり切り替わりません。夜に向け徐々にリラックスしやすい環境を整えてあげることが大切です。

 

自律神経はバランスが大切

手汗は交感神経優位の状態で多くなると言いましたが、

「昼間は手汗を抑えられないの?」と思った方もいらっしゃると思います。

 

2つの神経バランスを維持することで昼間に必要以上に交感神経が優位にならず手汗が出にくい体質になります。

逆に、不規則な生活やストレスにより自律神経が乱れると手汗に限らず様々な不調が現れるので注意が必要です。

 

自律神経の乱れが招く症状

  • 多汗症(手汗)
  • 自律神経失調症
  • 神経性胃炎
  • 過呼吸症候群

 

その他キリがないくらいの症状を発症するリスクがあります。

一つの症状が他の症状を併発する悪循環に陥りやすいので注意が必要です。

また、副交感神経は年齢と共に働きが弱くなると言われて自律神経が乱れやすくなるので日々規則正しい生活を意識することが非常に重要です。

7つの対策で手汗を抑えよう

交感神経の働きを抑える必要性を感じていただけたかと思います。

ここからは、手汗に効果のある交感神経を抑え副交感神経を優位にさせる対策を紹介していきます。

 

睡眠

睡眠は単に疲労回復だけでなく、自律神経を整えストレスを緩和してくれます。

 

一番のポイントは、毎日起きたときにカーテンを開け自然の光を浴びることです!

日中に光を浴びることでメラトニンが抑えられ、夜に自然な眠気を誘ってくれるようになります。

逆に、睡眠前にスマホなどの光を浴びるのは良くありません。

YouTubeを見たくなる気持ちはわかりますが、2時間前には遅くともスマホを見ないのが理想です。

 

食生活

手汗に良いと言われる食材がいくつかあります。

 

  • トマト

→脳や神経をリラックスされる効果があるGABAが豊富

  • チーズ

→幸せホルモンと言われるセロトニンの生成に欠かせないトリプトファンが豊富

  • 大豆

→自律神経を安定させる女性ホルモン、エストロゲンと似た働きをするイソフラボンが豊富

 

特にトリプトファンは体内で生成できないため食事で取るしかありません。

日々の食事で少し意識するようにしてみましょう。

 

サプリ

食事を毎日用意するのはめんどくさいと言う人も、サプリであれば必要な栄養素をまとめて摂取することもできます。

 

ただ、手汗に効果のある成分は多くあり全てを用意するのは正直大変です。

サプリを検討される場合は、「アセッパー」など手汗専用の商品を探し効率よくケアできるようにしていきましょう。

 

入浴(湯温に注意)

入浴によってカラダが温まると、血行が良くなり筋肉の緊張がほぐれリラックス効果があります。

 

ベストは40℃程度のぬるま湯に15分程度の入浴です。

42℃を超えるような熱いお湯だと、逆に交感神経が活性化されるので注意しましょう。

 

ツボマッサージ

手汗に効くと言われるツボを刺激してあげることも効果的です。

 

労宮・後けい・陰げき・合谷の4つを刺激してあげましょう。

ポイントは強く押しすぎないことです。

痛みはストレスにつながり逆効果なので注意しましょう。

 

漢方

手汗に効果のある漢方を、病院・漢方薬局・ドラッグストアで処方してもらうことができます。

 

自律神経を整えると言う点では、竜胆潟肝湯(りゅうたんしゃかんとう)が効果的と言われています。

ただ、ドラッグストアでも購入できる漢方もありますが、人によって効果が全く違うのが漢方の特徴です。

病院か漢方薬局で相談の上処方してもらうようにしましょう。

 

病院治療

多汗症は日本では認知が低いですが、病院治療が必要な場合がある病気です。

 

病院であれば症状を相談できるので、色々試して効果がなかった人はお医者さんに相談してみましょう。

 

ETS手術は最終手段にしましょう

ETS手術は唯一手汗の根本を解決してくれる治療方法と言われています。

 

手汗は脳からの刺激が胸部交感神経を経由して手に伝わり発汗します。

ETS手術ではその胸部交感神経の繊維を内視鏡で切断するので手汗そのものを抑えてくれます。

 

ただ、ETS手術は代償性発汗と言われる他の部位の汗に一生悩まされるリスクがあります。

手汗が何よりの悩みで他の対策ではどうにもならなかった人の最終手段として検討するようにしましょう。

短期で効果が出なくても諦めないことが大切

1日よく寝たら手汗が減るわけではないことは皆さん想像がつくと思います。

このように、自律神経を整える対策自体はシンプルですが、短期的に効果が出るわけではないことは最初に理解しておきましょう。

ただ、継続すれば着実に効果は現れます!

ぜひ、一つ一つの対策をコツコツ積み上げていきましょう!

おすすめの記事